現役医学部生のブログ

医学生の生活や医学部合格の為の受験勉強のコツなど。

数学の勉強法(前編)

受験数学で勝つために必要なものは何でしょうか?

 

私は「論理的思考力」だと思います。この「論理的思考力」ですが、これについて曖昧なイメージしか持っていない受験生が多いように感じますので、この場で敢えて説明をしておきたいと思います。

 

シンプルに表現するのであれば

「AゆえにB」を連鎖させること

です。AゆえにB、BゆえにC、CゆえにD、DゆえにE・・・と、なぜそのようになったかを順番に示すことができる能力こそが、数学の得点を規定していると私は考えています。

 

では、その能力を得るために使用する書籍についてですが、先の記事にて「きほんのき」として紹介したのは以下の2冊です。

教科書

入試数学基礎演習(東京出版)

(後者については学校で配布される副教材(4STEP等)で代用していただいて構いません。)

 

上記2冊の使い方ですが、最初は基本事項を大まかに理解するために教科書を読み込みましょう。ある程度の理解が済めば、入試数学基礎演習のような問題集に取り掛かって、基本事項に漏れがないかを確認して下さい。それが終われば、さらに難易度の上がった問題集に挑戦する、のではなくて、再び教科書に目を通しましょう。

 

教科書には、公式の説明や例題の解説が載っていますが、全ての説明は必ず「論理的」に行われています。公式がなぜ成り立つのかが、AゆえにB、BゆえにC、CゆえにD、DゆえにE・・・と曖昧な表現などは一切含むことなく説明されていく流れを読み込んで、自分でも同じように公式の証明(もしくは例題の解答)が出来るようになりましょう。

 

基本事項を覚えることはすぐに出来ますが、「論理的思考力」を身につけることはすぐには出来ません。まずはこのような入門編を丁寧にこなして、「論理的思考」の基盤を作ってあげることが将来的な数学力の飛躍につながると思います。

 

 

本来は一回の記事で数学の勉強法をまとめる予定でしたが、すでにかなり長くなっていますので、続きは次週とさせていただきます。

英語の勉強法

今回ご紹介するのは受験英語で高得点を取るための勉強法ですので、その点については注意してご覧ください。(日常会話が出来るようになるための勉強法とは異なります。

 

受験英語で勝つためには、単語知識、文法知識、長文を読む技術、英作文を書く技術、リスニング技術の以上5つの習得が必要であると私は考えています。

 

このうち、単語知識、文法知識、長文を読む技術に関しては、前回の記事で「きほんのき」としてご紹介した

データベース 3000基本英単語・熟語(桐原書店

基礎からの新々総合英語(数研出版

基礎英文問題精講(旺文社)

の三冊がそれぞれ、単語知識、文法知識、長文を読む技術を大まかに掴むために良いだろうと思っています。

 

使い方としては単純ですが、

「データベース3000」はとにかく覚える。

「基礎からの新々総合英語」は中学までに学習したであろう文法知識の脆弱な部分を確認し、高校で学習する構文や表現技法を新たに学ぶために使う。

「基礎英文問題精講」は基本的な英文の解釈技法を学ぶために使う。(※前回も案内しましたが、こちらの参考書はいくつかの和訳で意訳が強すぎるものがありますので注意してください。)

 

なお、前回に「推奨レベル」として紹介した

データベース 5500合格英単語・熟語(桐原書店

(即戦ゼミ)大学入試英語頻出問題総演習(桐原書店

基礎英語長文問題精講(旺文社)

の三冊に関しては単語知識、文法知識、長文を読む技術それぞれのステップアップのために使用していただければと思います。

 

英作文を書く技術に関しては、残念ながら自分一人で学習を進めても上達が遅いという特徴がありますので、学校や塾の教員に依頼をして添削指導などをお願いすることをお勧めします。

※ワンポイントアドバイス

英作文を苦手とする人は多くいますが、大多数の人は記載された日本語をそのまま英語にしようとしすぎているように思います。日本語で読んでも難しい文章を英訳する時は、簡単に表現が可能になるように日本語を「より砕けた日本語」に訳しましょう。

 

リスニング技術に関しては毎日聞き続けることが大事になります。長時間集中して聞き続けることや、ずっと聞き流しながら慣れていく必要は特にありません。短時間でいいので集中して英語を聞き取る時間を毎日設けましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

以上のようにして私は英語の勉強を進めてきましたが、東大、京大や国公立医学部などを目指す人にとっては推奨レベルまで確実にクリアすることが絶対条件であるように思います。英語は早くから取り組むことが可能な教科です。高校一年生などの間におおよそ完成させておけば、更に志望校合格の可能性が高まることでしょう。

教科別お勧め問題集・参考書一覧

・英語(きほんのき)

データベース3000基本英単語・熟語(桐原書店…最低限です。ここまでは絶対に覚えましょう。

基礎からの新々総合英語(数研出版…文法の辞書として使用してください。

基礎英文問題精講(旺文社)…いくつかの和訳で、意訳が少し強いものがありますが、構成、内容ともに十分な出来だと思います。

 

・英語(推奨レベル)

データベース5500合格英単語・熟語(桐原書店…ここまで覚えれば十分でしょう。

(即戦ゼミ)大学入試英語頻出問題総演習(桐原書店…同上。これの使用に反対している有名な予備校教師もいますが、学びたいのはネイティブ英語ではなくて受験英語なのでこれでいいと私は思います。

基礎英語長文問題精講(旺文社)…「きほんのき」で紹介したものの長文バージョンになります。ここまではスラスラと読めるようになりましょう。

 

・数学(きほんのき)

教科書…公式も証明出来るようになりましょう。私の学校は数研出版のものを使っていたと思います。

入試数学基礎演習(東京出版)…まずは大まかに掴みましょう。

 

・数学(推奨レベル)

一対一対応の演習(東京出版)…数学を苦手とする人でもここまでは完璧にこなせるべきだと思います。

新数学スタンダード演習(東京出版)…ここまで出来れば十分でしょう。

数学Ⅲスタンダード演習(東京出版)…同上。

 

・化学(きほんのき)

教科書…化学はこれに尽きると思います。私の学校は東京書籍のものを使っていました。

センター試験問題集(過去問ではありません)…基本が出来ているかを確認できる一番手ごろな問題集です。私は解説や問題内容を理由に駿台文庫または河合出版のものを好んで使用していました。

 

・化学(推奨レベル)

化学重要問題集 2014―化学基礎・化学(数研出版…ここまで問題なく解けるようになれば十分でしょう。

 

・物理(きほんのき)

教科書…数学と同様に公式を自分で導けるようになるべきだと私は考えています。私の学校は数研出版のものを使っていました。

センター試験問題集(過去問ではありません)…基本が出来ているかを確認できる一番手ごろな問題集です。私は解説や問題内容を理由に駿台文庫または河合出版のものを好んで使用していました。

 

・物理(推奨レベル)

物理重要問題集 2014―物理基礎・物理(数研出版…ここまで問題なく解けるようになれば十分でしょう。

 

・生物(きほんのき)

教科書…生物も化学と同様に教科書の重要度が高い科目だと思います。私の学校は啓林館のものを採用していました。

センター試験問題集(過去問ではありません)…基本が出来ているかを確認できる一番手ごろな問題集です。私は解説や問題内容を理由に駿台文庫または河合出版のものを好んで使用していました。

 

※生物(推奨レベル)

私は化学と物理選択で、医学部受験のための生物の勉強は独学で行っていました。従って、旧課程で言うところの生物Ⅱ(新課程での生物の一部)は全くの門外漢のため、推奨レベルの問題集を挙げることは出来ません。ごめんなさい。

 

・社会全科目(きほんのき&推奨レベル)

教科書…私は文系の進路も考慮に入れていたため、社会の記述式模試も高校二年生まで受験していました。理系ですが、教科書に穴が空くほど読んでいれば全国上位者にもなれたので、教科書だけで十分でしょう。(東大の800字論述などを突破しなければならない人は練習を別に行いましょう。)日本史、世界史、現代社会と勉強しましたが、山川出版社の歴史の教科書のクオリティは非常に高いものがあると思います。

 

 

前回の記事で言うところのStep2で使用するべきものを記載しています。Step4で使用するべきものや各問題集・参考書の運用方法は次回以降の記事にまとめたいと思います。

(なお、国語を私は苦手としていましたので、現代文、古典ともに除外しています。)

一つの教科を完成させるためには(大学受験生対象):第三回

前回の続きになります。

 

Step3:基礎や基本解法に漏れがないか確認する

Step2との境界が少しわかりにくい表現となってしまいましたが、一通り勉強した単元であっても、入試演習を始めた科目であっても、忘れることなく基本の確認を繰り返してほしいという願いがあって、別に項目を立てて記載をしました。基本の確認というのは、一見すると重要ではないように思えてしまいますが、受験の時には必ずこの重要性が分かってもらえることだと思います。

なお、前回記事でいうところの二つ目のグループの人はここがゴールとなるため、その後も記憶違いなどがないか繰り返し確認をしてください。重ね重ねですが、基本には絶対に妥協しないで下さい。最後に自分を助けてくれます。

 

Step4:応用に繰り返しチャレンジしてみる

一つ目のグループの人は、基礎と基本解法を完璧にした自信があれば、応用問題として見なされている問題に積極的に取り組んでみましょう。ただし、一点だけ注意してもらいたいことは、応用問題に取り組む上で熟考することは大切なことですが、熟考することと時間を大量に使うことは同じではありません。時間配分などのバランスを考えて取り組むようにしましょう。

ちなみに、このレベルに本当に到達している人にはアドバイスは不要だと思いますので、自分の考え、勉強法を重んじて頑張ってもらえれば大丈夫だろうと思います。

 

前回から今回にかけて、以上の4つのStepに段階を分けて話を進めてきましたが、いかがでしたでしょうか?これが受験勉強の完璧な方法かは分かりませんが、私はこれがベストな方法だと信じています。完全に踏襲する必要はありませんが、是非とも参考にしていただき、受験勉強の刺激となってくれればこの上ない喜びです。

 

次回は前回案内した通り、私がお勧めする問題集と参考書を一覧にして発表します。